「更新料は違法」大阪高裁の判断、4つのポイント (08/28)
裁判所での賃貸マンション更新料を違法とする判断が大きな波紋を呼んでいます。賃貸マンションの契約更新時に入居者から「更新料」を徴収する契約条項は消費者契約法に照らして無効だとして、京都市の男性会社員(54)が家主に支払い済みの更新料など約55万円の返還を求めた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。成田喜達(きたる)裁判長(亀田広美裁判長代読)は、請求を退 けた一審・京都地裁判決を変更し、約45万円の支払いを家主に命じる逆転判決を言い渡した。(中略)
高裁判決は、今回の更新料について「目的や性質が明確でなく、賃料の補充などの合理的な根拠を見いだすことは困難」と指摘。消費者の利益を不当に 害する条項を無効と定めた消費者契約法に反し、同法が施行された01年4月以降の契約に基づいて支払われた40万円分を無効とした。(中略)
賃貸住宅の更新料を違法とする司法判断は7月にあった別の訴訟の京都地裁判決で初めて示され、高裁レベルでは今回が初めて。首都圏や京都などで続けてきた不動産業界に影響を与えそうだ。
確かに今後更新料がもらえないとなると、大家さんや管理会社にとっては収入減になります。しかし、更新料の基準は地域によって様々。この事例のように1年ごとに賃料2ヶ月分というのは、相当高い部類で、2年ごとに賃料1ヶ月分だったり、僕が住む名古屋ではそもそも更新料の慣習はありません。そもそも、建設時にプランナーは更新料を見込んで収益計算するのでしょうか?もしそうならそれは企画にも問題があるのではないでしょうか。
この判決のポイントは、収入が減ることではない、というのが僕の考えです。それではポイントは何か?
1.入居者=消費者であり消費者として守られる
判決によれば、更新料が直接に違反しているのは借地借家法ではなく、消費者契約法です。消費者保護の法整備は今後も進んでいくと思われるので、更新料以外の慣習も今後色々と見直していく必要があります。
2.今後は明瞭な賃料表示が必須
消費者を保護する場合に一番重要なのは、値段がわかりやすいことです。更新料が拒絶されるのも、「月額○○万円」と謳っておきながら、別の箇所でお金をとることが、消費者にとってわかりづらいからです。
共益費も違法、とまではさすがにならないでしょうが、賃料以外に入居者さんに負担してもらっているものがあるなら、見直すべきでしょう。
3.契約時のきちんとした説明が必要
この判決では、借地借家法で認められた拒否の権利など、入居者に認められる権利をきちんと説明していないことも問題とされています。果たして全ての権利をきちんと説明することなんて可能なのかは疑問ですが、説明責任という点でも今後大家さんは責任を負うことになります。
4.やっぱり「入居者=弱者、大家=強者」という構図が鮮明に
ここ最近、盛んに言われていることですが、社会は入居者さんが弱者であり、守られる存在だ、と考えていることがここでもわかります。「嫌なら出て行ってもらってかまわない」とは言えません。貸す相手を選ぶことができるだけの余裕ないと、経営リスクは非常に高くなってしまいます。特に賃料を安くしてやっと入居者が決まったようなところは、訴訟を起こされるリスクが高くなってしまうでしょう。
賃料を下げるのはそれだけリスクがあることだ、ということをきちんと認識するべきです。空き部屋が発生したら、とりあえず賃料を下げる、という発想を変えて、賃料を維持しながら付加価値をつけるにはどうしたらいいか、を考えないといけないです。また、そういったことを考えられる会社をパートナーにするべきです。





